レース鳩において色素は重要!!
3代下がると飛ぶ?飛ばない?
**中距離・長距離とは無関係**以降を3月6日に追記
色素の濃い鳩&薄い鳩
レース鳩の交配は血統を見て配合する人と、鳩だけを見て配合する人の二通りに大きく分けられます。血統書を見て配合する人は勿論、鳩の色素を考慮していません。鳩だけを見て配合する人もボディバランスを重要視する人が多く色素を考慮する人は少ないようです。
私は、色素を考慮した配合に重点を置いてペアリングをしています。勿論ボディバランスも考慮しますが五分五分の比率です。通常色素というと羽の色と勘違いする人が多くいますが、私の言っている色素とは羽の色ではなく、鳩の持っている「色の濃さ」を言っているのです。
同じ灰の鳩でもクリーム色に近いモノとドス灰と言われる鳩がいると思います。クリーム色に近い鳩は、色素が薄く、ドス灰は色素が濃いと判断してください。あと、DC(濃胡麻)の鳩は一般に色素の濃い鳩と思われていますが、これも2種類に分かれます。嘴&爪が薄い茶色をした鳩と黒い鳩が居ます。薄茶は色素が薄く黒は色素が濃い鳩です。
刺し毛の鳩は、色素が薄いと思っている人が多いのですが、色素には直接関係有りません。勿論全体の50%以上が指し毛の鳩は色素も薄いのですが全体の5%程で有れば関係有りません。
**刺し毛の鳩は、部分的に色素が欠落しているだけです。俗に言う「ブチ」で一色ではない構造を持っているだけです**
後は、目の色素です。これは人間の目で見て鳩の目の色が濃いか、薄いかを判断します。通常体の色素が濃い鳩は目の色素も濃いと鳩と思われがちですが、そうでも有りません。
貴方所有の種鳩は、どうでしょうか?ちょっと見たください!
色素を考慮した方が飛ぶのでしょうか?
「飛ぶ、飛ばない」とは、「帰ってくる、帰ってこない」と「早い(優入賞)、遅い」のどれを指すのかで何とも云えませんが、私は勝てない(勝つことの出来無い資材)鳩を飛ばない鳩と言っています。色素に関係無い様ですが関係有るのです!
色素の濃い鳩同士の配合では、どうしてもスピードが出ません。とにかくしぶとく帰ってきますが、大変遅い鳩の出来る確立が高いようです。逆に色素の薄い鳩同士の配合では、高分速に強いスピードバードが出来るのですが、粘りが無く渋ったレースに遭遇すると姿が見えなくなります。
**スピードバードの定義**
スピードバードには2種類あり1つは、高分速スピードバードでもう1つは低分速スピードバードです。共に優勝する鳩なのですが分速1,300m以上で優勝する鳩は”高分速スピードバード”分速1,150m以下で早い鳩を低分速スピードバードと考えます。分速1,200m程での勝ち負けは両方のスピードバードが入り交じります。
私は、スピード戦が好きなのでスピードの出る鳩で、渋ったレースをぎりぎり我慢し帰ってくる高分速スピードバードを鳩を作ろうとしています。この交配では、色素の薄い鳩が基礎で色素の濃い鳩を異血に配合しています!
**中距離・長距離とは無関係**
この話をすると、決まって低分速スピードバードが長距離系で高分速スピードバードが短中距離系と勘違いされます。短中距離系であっても低分速スピードバードは居ますし長距離系であっても高分速スピードバードが居ます。距離には何も関係有りません!
短距離鳩は、400K程迄を自分の持っている力(スピード)を最大限に出し飛翔しようとします。そのときの気象条件が悪(雨模様&向かい風が強い)ければ、低分速スピードバードが勝ち、気象条件が良ければ高分速スピードバードが勝ちます。
*短距離バードは、400K迄に全パワーを使い果たすだけです。
中距離バード、長距離バードはそれぞれの適正距離で全てのパワーを使おうとするだけなのです。ですから短距離ラインで短距離の悪天候で帰還した鳩を長距離ラインとクロスしても長距離克服能力は上がらないと考えて下さい。
長距離性能を上げようとするときは、長距離低分速スピードバードと長距離高分速スピードバードのクロス(交配)が良いと思います。
中距離バードを作出しようとするときも同様の考え方で良いと思います。
と言うことであらゆる距離で基本交配は色素の濃い鳩と色素の薄い鳩のクロスとなります。
色素と筋肉の関係!
「肉質&腱&骨格について」のサブページで筋肉については記述していますが、色素と筋肉についての関係は書いていないのでこの項で触れたいと思います。
一般的に色素の濃い鳩は粘り型であると上記でも説明していますが、一定の規則正しい運動に適した「赤筋=遅筋」を多く持っている鳩であると考えて下さい。
そして、この種のタイプで長距離実績の有る鳩(ライン)は、腱が柔らかいモノです。本当の意味での長距離鳩は、このタイプであると思われます。
逆に色素の薄い鳩は「白筋=速筋」が筋肉の多くを占めていると考えられ高いスピード性能を有しています。しかし、長時間の同一運動には適して居らず悪天候での長距離克服能力は低いのです。
最近の長距離鳩は後者のタイプが多いと感じています。1,200m以上の分速が出たならば1,000K以上の距離でもドンドン帰りますが分速1、000mを切った展開では殆ど帰りません。
しかし、勝つ事(総合優勝)のできる鳩です。
選手鳩作出の配合&種鳩配合
選手鳩を作る時は、迷わず色素の薄いモノと濃いモノを配合し色素的に中間を作出してやりたいものです。
でも皆さん!薄いモノと濃いモノを配合して中間が出ますか?(経験から、薄い子供と濃い子供が作出されます)
この章つづく