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えべつ市民活動・協働ネットワーク懇談会 ~先進事例調査 結果報告~ 日 時 6月5日(H.17)(日)13:00~16:30 参加者(五十音順、敬称略) <12名> 天野(市企画政策部)、小林(北海道NPOサポートセンター)、佐久間(大麻ころばーず)、佐々木(アグリ・キンダム江別)、 調査対象建物 エルプラザに集合後、以下の順で施設を見てまわりました。 2 道立市民活動促進センター(札幌市中央区北3条西7丁目道庁別館西棟1階) 3 旧札幌市立曙小学校(廃校利用)(札幌市中央区南11条西9丁目) 報告内容 |
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○「SMNネット」代表の藤原哲朗さんに説明をお願いしました。 |
![]() 藤原さんを紹介する小林さん |
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札幌市市民活動サポートセンターの運営 札幌市の施設。市民活動サポートセンターの他、環境プラザ、消費者センター、男女共同参画センターが入った複合施設。うち市民活動センターの面積は約460㎡。運営時間9:00~22:00、年始年末は休み。 ②
施設の内容 パンフレット棚、印刷室、ミーティングルーム(要予約無料2室あり)、オープンスペース、パソコン、プリンター、貸しブース(19ブース)、レターケース(150個、無料)、貸しロッカー(中、小)などがある。 パンフレット棚・掲示板;講演情報、団体活動情報などの情報チラシが置かれている。市民が持ち込み、職員が選定し、並べる(判断基準;営利目的か否か)。この場所には北海道NPOサポートセンター発行の情報誌も置かれていた。毎月100部は利用されているとのこと。 |
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受付;非常勤職員で管理全体も対応(私たちが訪れた時には2名が対応していた)市職員は別室で執務。 ・
ミーティングルーム; 18人用、12人用の2室。1ヶ月前から予約可。無料。使用時間は午前(9:00~12:30)・午後(13:00~17:30)・夜間(16:00~21:45)に分類。 |
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パソコン、プリンター;パソコン5台、使用は無料。白黒プリンターは1台(印刷は1画面1枚で@無料。紙は利用者持ち込み)、カラープリンターも1台あり(@10円、最大5枚まで)。修理は市の負担。 |
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事務(貸し)ブース;19ブース。使用料@10,000円~20,000円/カ所。使用時間9:00~22:00。個人別の電話・FAXが引ける。毎年契約更新。入居には審査基準あり(営利目的は不可等)。人気があり常時満室状態。電話・FAXは共有化し事務ブースのみを設ける方法もある(藤原さん談) |
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・ ロッカー;中型58個 @700円/月、小型60個 @400円/月。団体が借りて印刷用紙や事務備品を入れている。 ①
その他、藤原さんに聞いたお話 ・
利用者側の立場でいうと、便利で低廉な料金で使用できるなど良いところ。 ・
この施設は交通の利便性が良いのが最大の利点。交通の利便性に劣る道の促進センターは利用者が減少しているようだ。 ・
3F・4Fのフリースペースは、中・高校生の良い意味での「たまり場」となっており、管理者側が想定していない使い方が生じている。 ・
この施設を企業も研修等で盛んに使っている。民間セクターが管理するなら、事業費をどうするかが課題となるので、企業へのアプローチを積極的に進めるのも一つの方法だ。 ・
印刷に関して管理者が紙を売るシステムがあると便利。印刷代(インク代)は徴収すべき。 ・
この施設は複合施設(環境プラザ、消費者センター、男女共同参画センター)であり、施設内には会議室がたくさんあるにも係わらず、申し込みはそれぞれに行わなければならないという弊害がある。また、札幌市は会議室の利用を団体登録を行ったものに限り可としているため、施設を最大限利用するとなると登録カードが4枚も必要となる(笑)。 アクセスしてみましょう SMNネット しみサポ http://www.shimin.sl-plaza.jp/ ④
見て聞いてのつぶやき(感想・意見) ・
さすが最新の施設であり、規模も大きく使いやすい感じがした。ただ、4つの行政部局がそれぞれ使用条件等を設けて会議室を管理しているため、使用頻度に不均等が生じており、一括管理が望まれているとのこと。将来は指定管理者制度に移行する予定。「運営委員会」が設置され使用者の意見を反映している。行政が管理しているため印刷インクやパソコンの使用が無料など、「至れり尽くせり」の感がした。ただし、使用時間が22時までであり、市民活動者にとってはもう少し延長できたら都合が良いと感じた(つぶやきby白鳥)。 2 北海道立市民活動促進センター < 通称「しみせん」>(14:10~14:35) 車3台に分乗して2カ所目の「しみせん」へ(旧フジヤ・サンタスホテルの1階です)。 |
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○ふれあい財団(北海道地域活動振興協会)の前田事務局長(「しみせん」センター長兼務=道職員OB)と、相談員の大石真義さん(NPO法人あいねっと北海道・理事)に説明をお願いしました。 ① 道立市民活動促進センターの運営 |
![]() センター入り口 |
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施設内容は「しみサポ」の小型版。貸しブースは無いが、その他はほぼ同じ。 |
![]() 掲示板 |
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活動団体および自治体の資料;全国の市民活動団体の資料がファイルされ、自由に閲覧できるが特徴(しみサポでは無かった)。※江別でも、団体等の活動状況を資料化して自由に閲覧できるようにしたい。フォーマットをそろえるか、持ち込みチラシをストックするのでも可。 |
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交流スペース; 予約制が必要なスペースと、フリースペースがある。オープン(間仕切り一カ所あり)。無料。 ・
パソコン、プリンター;パソコン、白黒プリンター、カラープリンター 使用自由、無料。修理は道の負担。 ①
その他、前田事務局長および相談員大石真義さん(NPO法人あいねっと北海道・理事)に聞いたお話 ・
相談員をおいてNPO活動や市民活動に関する相談を受けていが、NPO法人の取得に関するものが多い。その他では、助成金に関することが目立つ。また、税や法律に関することは、専門家アドバイザーを紹介している。 ② 見て聞いてのつぶやき(感想・意見) ・
施設設備内容は「しみサポ」を一回り小振りにした感じ。ここは、しみサポに比べ、相談業務と全国の市民活動団体・自治体の資料収集、ゴミの分別がすぐれている。相談内容は?との質問に「NPO法人設立相談」と答えていた(開設当初、「しみせん」は設立相談しないといっていたのに…)。 そこで、相談員の大石さんに、相談内容を聞いたところ「以前は設立相談多かった。いまは運営相談多い」との答えだった。(どうなっているのだろう???)(つぶやきby小林さん) ・
「しみサポ」がオープンしてから、利用者が減少しているとのこと。確かに、交通の利便性と施設規模では劣るが、コンパクトで使いやすいかも。駐車場は、平日の日中なら道路向かいの道庁来庁者駐車場で2時間まで無料(土日は前面道路の交通量が少ないので、チラシを置く・調べる・印刷するなどの短時間は路駐も可?~チラシ印刷の場合、紙が重いので公共交通機関を利用するのは躊躇する。活動者なら誰もが経験あることで…)。相談員をNPO等の市民活動経験者としているところは評価できる。相談内容等をいかに蓄積し活用するかは、センターの心構えによる。江別でセンターを作る時には、単に室や印刷機のレンタルだけではなく、この機能を大切にしたい。(つぶやきby白鳥) |
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アクセスしてみましょう しみせん http://www.fureaizaidan.or.jp/npo.asp あいネット http://www.inet-hokkaido.org/ |
![]() 小林さんがほめていたゴミの分別 |
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![]() たくさんの活動団体ファイル |
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![]() あけぼの開明舎入り口 |
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○武藤義典あけぼの開明舎副会長(全体案内)、NPO法人「夢の樹さっぽろ」(障害児のデイサービス)松井久美枝事務局長、「1年1組」(3世代交流昼の茶の間運営の任意団体)宮本由香里代表、および永喜多宗雄あけぼの開明舎相談役のみなさんにお話をお聞きしました。 |
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①あけぼの開明舎 江別高校出身(S38年卒)という武藤義典さんに案内していただきました。とても優しい方でした。長時間ありがとうございました。 |
![]() 玄関(旧児童用玄関) |
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あけぼの開明舎の活動;①地域住民になじみ深い旧曙小学校を、地域の様々な活動の拠点として活用してもらう。②地域に暮らす方々に毎日気軽に立ち寄ってもらい、コミュニケーションづくりの場として活用してもらう。③周辺の子どもたちが、放課後や休日に立ち寄り、遊び・学ぶなど、地域・年代を超えた交流の場所をつくる。④様々な市民・文化活動の拠点を提供する。⑤施設を利用する人々の様々な活動を、曙地区の活性化に反映させる。 |
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■あけぼの開明舎 |
![]() 廊下(学校の怪談?) |
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・ 施設内容と事業;学校の教室やグラウンドの貸付けなどの事業をしています。また、主な事業収入は室の貸付料金と会費でまかなっており、支出の多くは電気代や暖房費とのことです。 「交流スペース」:地域の人たちの交流の場として、パソコンを習ったりしながらまちづくりや地域文化の発展を協議したりする“交流サロン”などがあります。 |
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■施設内容■ ・
貸事務所&貸書斎(小売店舗等の入居は不可) |
![]() 図書館(廃業したカレー屋さん |
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■利用料金■ 1)月極…1部屋39,500円~(契約期間によって異なります) |
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■休みと開館時間■ |
![]() 貸教室=会議室(旧多目的室) |
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利用状況:現在22団体が長期で借りている。 運営状況;教室のレンタルは好調で、月契約部分は残り2~3室。 ② NPO法人「夢の樹さっぽろ」(障害児のデイサービス) NPO法人「夢の樹さっぽろ」松井久美枝事務局長にお話をお聞きしました。 ・夢の樹さっぽろは、子ども・保護者・しょうがい者(児)・高齢者などの地域住民に対しての生活支援、交流促進などに関する事業を行い、性的差別の撤廃やユニバーサルデザインの視点から、誰もが暮らしやすい社会の実現に寄与することを目的としているNPO団体です。あけぼの開明舎の教室を借りて事業をしています。 レスパイトサービス 1時間 400億縁(1億縁=1円)
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③ 「1年1組」(3世代交流 昼の茶の間) |
![]() 1年1組の内部 |
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③ 「1年1組」(3世代交流 昼の茶の間) 「1年1組」の宮本由香里代表にお話をお聞きしました。本当は、我々が訪ねた日曜日はお休みの日ですが、わざわざ教室を開けてくださいました。また、お茶をご馳走になり、本当にありがとうございました。これからも頑張ってください。 活動団体(任意)です。あけぼの開明舎の一室(教室)を借りて事業を行っています。 |
![]() 代表の宮本さんに、お話を うかがうことができました。 |
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・運営状況;ボランティア6名(毎日2名づつ)でローテーションしている。 ・利用料金;(会 員)給食会400円/食、飲み物200円から ・現状と今後の抱負(宮本さんのお話); |
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・「山鼻新聞」; |
![]() 武藤さん(右)と永喜多さん(左) |
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まちづくり活動の収入の大半は補助金で、最初の3年間で500万円。後年の2年間は、地域の商店街活動の活性化という名目で175万円ほどだった。これに加えて、会費を一口12,000円として集めていた。山鼻新聞はこの活動のうちの一部分だが、年間4回ほど発行していた。 ・
発行部数は、最初は2,500~3,000部だったが、全戸配布を目指し、最後には16,000部ほどになった(全戸配布には約13,000部必要)。 ・
発行にかかる主な費用は、地域の人のアルバイト(配布用)10万円、印刷費20万円で、新聞の収入としては広告が約10万円/回ほどあった。 ・
今から4年ほど前(2001年)に曙小学校の閉校問題が持ち上がり、「曙小学校閉校後の利用を考える会」が発足し、山鼻曙地区のまちづくりも併せて考えることなったことから、これまでの山鼻新聞活動を一旦解散した。 それが、この「あけぼの開明舎」につながっている。 ・「あけぼの開明舎」の設立; ・
当初市は、曙小学校が閉校になったら壊すつもりでいた。しかし、当地区は歴史的にも古いまちであり、市民が自由に使える公共施設が少ないところであった。 ・
有志3~4名ほどで跡地利用の研究が始まった。市に陳情したが最初のころは相手にもしてくれなかった。当時の市長に計画をお話したところ、『町内会とよく話合いをして欲しい』とのことであった。ところが町内会は曙小学校の閉校を条件に、違う施設の建設を要求していた経緯もあり、了承が得られなかった。 ・
そんな時、現在の上田市長が誕生した。上田市長に現地に来てもらって状況を見てもらった。結果的には、解体まで市民活動団体に貸与する、ということになったが、条件としては『自主管理』ということであった。 ・
『自主管理』は、ある程度行政に束縛されずに、活動に見合った管理を行えることが利点であるが、困るのは財源確保である。電気代が17~18万円/月。冬季間の燃料代が40万円/月かかる。また、ボランティアもある程度有償としている。事業費から捻出するほかは無く、活性化が求められる。 ・
市とは今年度末までの暫定利用という約束で使用している。今後、使い方についての提言を行う予定だが、最近、使用期間の延長の可能性も出てきた。実績をつくって、市や町内会、PTAと連携していきたい。 ・
この施設を運営し始めてから、市民の自主性が目に付くようになった。この春から活動を開始した『図書館』は、市民の独自の発想で誕生したものである。不用になった図書を集め、管理も自分たちで人を集めて行っている。これはとてもすばらしいことだ。 ・
しかし、この建物は耐震性に問題があるとの調査結果が出ているので、我々としても遠い将来も利用できるとは考えていない。市民主体のまちづくり活動の一つの実例を示すことができればうれしいと思っている。 |
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・運営・管理の面では、先行2事例と比較して、財政的な面での難しさを感じました。一方、「1年1組」や「図書館」の活動は、市民の自らの発想で誕生した活動であり、自主性と独自性が現れていると思います。行政に頼ることなく自主的に運営することにより、将来、魅力的な市民活動が育まれる可能性を大きく感じました。 (つぶやきby白鳥) |
![]() お話を聞くメンバー |