パンダクラブ北海道通信〔2001年4月号〕

2001年3月31日発信:パンダクラブ北海道
〒064-0823中央区北3条西26丁目1-12-303
代表 長屋 貞夫:FAX&TEL (011)384-0801 事務局 長屋 隆夫


 4 月 か ら の 予 定
  4月15日(日)自然観察会〔野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合〕 :申
  5月 5日(土)か6日(日)パンダ募金〔円山動物園:午前10時〜午後3時〕    :申  
5月20日(日)自然観察会〔野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合〕   :申  

野幌自然観察会について 

 春の野幌森林公園は花の観察に最適の季節です。観察会を下記の日程で行います。参加無料。

 小雨程度なら決行ですが、悪天候の場合は次の祝日か日曜日に延期します。

日時: 20014月15日(日)と5月20日(日)

  • 午前9時半より午後1時まで
  • ・集合場所:野幌森林公園トド山口駐車場9:30集合

    ・持ち物:弁当、長靴、コンパス、メモ帳、双眼鏡やカメラ、防寒具や雨具、時計

    パンダ募金のご案内

    恒例のパンダ募金を次の予定で行いますので、多数ご参加下さい。今回も人数さえ集まればまた正門と西門の2班に別れて、募金を呼びかけます。

  •  5日が雨天の場合は6日(日)に延期します。
  • ・目 的:募金は世界の自然保護活動に役立てるためWWFJに送金します。

    月例自然観察会報告in 野幌

    ・ 2月18日(日)天気:曇時々晴れ

     曇り空のため薄暗く、小鳥たちを見つけるのに苦労しました。今年は例年に無く寒い日が続き、積雪も多いため野鳥や動物たちの生きる戦いは、一層厳しいものでしょう。エサを必死に探している小鳥の姿を双眼鏡で追っても、視野に捕らえることが大変でした。

    ・ 3月18日(日)天気:快晴

     毎年この季節にもなれば、フキノトウやフクジュソウが見られると期待して出発しましたが、まだ積雪は1m近く有り、樹木の周りにわずかに地面が出ている以外は、一面の銀世界。

     それでも温かい陽射しに誘われて、ヤマゲラたちは追いかけ合いを始めていましたし、ヤナギの冬芽が開きかけていました。もうすぐ春です。

    観察会2001年2月〜3月
    種  名 2 月18日 3月18日
    〔野鳥・動物〕        
    トビ  
    ミヤマカケス  
    ヒヨドリ    
    ハシブトガラ    ○
    ヤマガラ  ○
    シジュウカラ  
    キタキバシリ  
    キクイタダキ  ○  
    シマエナガ  ○  
    ゴジュウカラ  ○
    ツグミ  ○
    アカゲラ    
    コゲラ  ○
    ヤマゲラ
    ウソ
    キタキツネ 足跡 足跡
    エゾリス  
    ユキウサギ 足跡  
    〔植物〕冬          
    フッキソウ    葉

    クマゲラはどこに?!〔長屋 貞夫〕

     去る3月11日の日曜日、我がパンダクラブ北海道の菅原文雄,沢部勝,長屋貞夫の3人は、「野幌森林公園を守る会」主催のクマゲラ一斉調査に参加しました。

     今回は参加者が少なく、500m四方のメッシュが埋まりそうもなかったので、私たちは各人2区画を担当して調査しました。つまりトド山口から入って下野幌林道側の70, 71,78,79とサギの森周辺の99,100の合計6区画です。

     しかし、この日は天気も良くて絶好の調査日よりで、アカゲラ,ウソ,イカルまでも賑やかに遊んでいましたが、むしろこの好天で気温も比較的高かったためか、私たち3人の担当地区では発見できず、クマゲラはどこかに出張してしまったようです。

     文雄さんが真新しい食痕と糞を拾ってきて、「今さっきまで居たようだ。」と言ってましたが、全体でも1羽〜2羽の確認と低レベルの結果に終わりました。

     野幌森林公園の周辺は年々開発が進み、クマゲラにとって生活しにくい森に成っているのかもしれません。

    『鹿の食害対策について』  〔厚田村 長 良幸〕

    自然保護の意識も無く、ただ田舎で自然に生活出来ればとの思いでくらしています。

     農薬や化学肥料等の化学合成資材を使わない農業を続けてますが、最近問題が起こりました。

     大豆の種を播き、大豆が芽を出すとハトが食べに来るので、ハウスで苗に育てて畑に植えます。大豆が少し育つと、ウサギが来て上半分を食べ丸いウンコを残して行きます。

     それでも育ち、実が成ると鹿がやって来て鹿がやって来て、食べてしまいました。

     まあ、自家用の大豆だからイイかと思ってましたが、昨年の秋、大豆は全部、カボチャは半分、土の中のバレイショさえも角か足で掘って食べるようになりました。

     そのために販売用の野菜が少なくなり、経営がたいへん苦しくなっています。

     村役場に相談したら、被害届けを出してくれたら「害獣駆除を行う」との返事でした。「鹿を鉄砲で撃つ以外に、私の所で出来る事がないかと思案しています。

     力を貸して下さい。お願いします。

    野生化したアライグマ  〔撰藻 匡樹〕

     『アライグマ被害対策ハンドブック』(編集・発行:北海道空知支庁)という冊子があります。元はペットして人に飼われていたアライグマ。手に負えなくなって捨ててしまったのか、逃げ出したのか、野生化したアライグマによる被害が大きな問題となっていることが、この冊子に報告されています。元々その土地に生息していた種による被害と、人間によって持ち込まれ野生化した種による被害とでは、意味が違うとは思います。しかし、「害獣として駆除」、または「人と野生動物のとの共存」という点において、前項の「鹿による食害」と「アライグマによる被害」、そして他の様々な野生動物と人間との摩擦には共通する問題を含んでいると思います。

     野生化したアライグマによる問題は、農作物の食害、捕食する小動物の減少、キツネやタヌキ等競合する野生生物への影響、感染症の媒介、等が懸念されています。他の野生生物への影響については、私達のホームグラウンドでもある野幌森林公園で、アオサギがコロニーを放棄したことは、アライグマによるものと考えられています。

     農作物の被害については、スイートコーンや、メロンをはじめとして、年々被害が増えつづけています。被害が増加すれば、対策を講じなければならなくなります。平成6年には狩猟獣に指定されています。また、冊子には駆除だけでなく、ネットや柵などを設置し、アライグマの侵入を阻止する事例が掲載されています。

     なぜ、野生動物が人里に下りてくるのか、その理由は様々だと思います。森林の減少による食料不足、森林面積に対して個体数が適正な範囲を越えている、また、確実に食料を得られる場所として農作地帯を認識しているのかもしれません。野生動物は生きていくのに必死なだけなのだと思います。しかし、人間にも守らなければならない生活があります。必要以上に駆除することなく、農作物への被害を押さえ、人間と野生生物が共存することはできるのでしょうか。