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  〜 動物と自然が好きなあなたへのメッセージ 〜
 
       人から人へ
         親から子へ
           自然のすばらしさ
           大切さを伝えよう
 
       え  と  ぴ  り  か
 
 パンダクラブ北海道 2007年 7月31日 E-Mail版 No.39
 
パンダクラブ北海道は、地球規模の自然保護活動を行ってい
るWWF(世界自然保護基金)を支援するため設立された団体です。
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目次
○8月からの予定
○月例自然観察会報告 in 野幌
○環境広場の報告です
○地球温暖化対策市民セミナー「地域で元気に温暖化防止!」に参加
○白神山地に行ってきました! 夏のツアー顛末記

 


 

☆ 8月からの予定 ☆
  8月19日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 
 
  9月16日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 
             引き続き例会〔ふれあい交流館:午後1時半〜〕


 10月 7日(子供の日)パンダ募金
 [札幌円山動物園 正門前集合:午前10時〜午後3時]

 10月21日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 
 

※参加申し込みは下記まで
 代表 長屋 貞夫:FAX&TEL (011)384-0801

 
[自然観察会について]

森林公園はもう秋の気配かも。地味な花も多くなりますが、季節を感じる観察会になるでしょう。

小雨なら決行しますが、悪天候の場合は次の日曜日に延期。参加無料。
・日   時:8月19日(日)9月16日(日)10月21日(日) (いずれも日曜日)  午前9時半より午後1時まで
・集合場所:野幌森林公園トド山口駐車場9:30集合
       JRバス新札幌駅南レーン乗り場(2)19系統9時10分発の立命館慶祥高校行きで終点
・持ち物:昼食、雨具、メモ帳、双眼鏡やカメラ、歩きやすい服装、長靴

 

[パンダ募金のお知らせ]

恒例のパンダ募金を次の予定で行います。皆さん,多数ご参加下さい。今回も人数さえ、集まればまた正門と西門の2班に別れて、募金を呼びかけます。

小雨決行としますが、悪天候の時には8日を予備日として順延します。
・ 場   所:札幌円山動物園 正門前
・ 日   時:10月7日(日) 午前10時〜午後3時
・ 目   的:募金は世界の自然保護活動に役立てるためWWFJに送金します。

 


月例自然観察会報告in 野幌

  6月17日(日)天気:快晴

この日は「えべつ環境広場2007」の行事として北海道フラワーソン2007に参加しました。チーム名は「江別環境広場」として登録。パンダクラブ北海道のメンバーから選りすぐりの優秀な?3人がスタッフとして引率しました。一般参加者を広報誌等で募集し、2組4名の予定でしたが、当日になって1組が都合がつかず、相沢さん親子2名の参加。道新の記者の桜井さんも取材のため合流して6名で出発しました。

天候は申し分ないほどの快晴で蒸し暑いほどでしたが、森の中に入ってみると木漏れ日が心地よい程度に差し込む森林浴を楽しみことができました。でも、案の定ヤブ蚊には悩まされ続け、防虫スプレーが離せませんでした。

肝心の野の花たちは、今年の暑さのせいかステージが進んでいて、5年前のフラワーソンでは至る所で見えていたサイハイランの花がなかなか発見できません。そのかわり「黄色い花ばかり」と相沢さんもおっしゃっていたとおりヒメヘビイチゴが満開でした。

やはり黄色い花のオオダイコンソウは既に終わりかけで俗に「バカ」とか言う(相沢尚子説)カギ状の針山のある実になっていて、人の服に着いて種を広めようとしていました。

ランのシーズンにしてはさつぱり出現してくれないなぁと諦めていたら、サイハイランとコケイランが1株ずつひっそりと咲いていて一安心。

コースの最後に、2日前の下見の時に見つけたランの一種アオチドリを紹介しようと近道しましたが、結局発見できず仕舞いでガッカリしました。

反省点としては、途中で見つけた草の実をミゾホウズキだと説明していましたが、家に帰ってからフラワーソンのHPで投稿欄を調べたら、タチツボスミレの閉鎖花だと判りました。

途中でホオジロの姿を望遠鏡で観察できたし、エゾハルゼミの声が賑やかなフラワーソンの一日を楽しみました。

 

     7月22日(日)天気:曇り時々晴れ

前日の雨はずっと乾燥していた森にとって、恵みの雨となったようです。このため、水たまりが有ったり、林の中が蒸し暑くてヤブ蚊がブンブン飛んでいました。種市さんの持参した蚊取り線香の煙が効果的でした。

時期的にエゾアジサイが満開で、クルマユリも余りに花を付けすぎたために重たいのか、傾いたり倒れたりしていました。

種   名

617

722

種   名

617

722

〔野鳥・動物〕 

    

 

〔植物〕夏

    

    

アカゲラ

 

 

ホオノキ

花終わり

 

キビタキ

マイヅルソウ

ルリビタキ

 

サイハイラン

 

センダイムシクイ

コンロンソウ

 

ツツドリ

 

ホウチャクソウ

緑実

キジバト

 

トチバニンジン

花終り

アオジ

 

バイケイソウ

ウグイス

エゾニワトコ

 

ホオジロ

姿

 

オオバナノエンレイソウ

 

エゾハルゼミ

姿

 

オオハナウド

 

トンボエダシャク

 

姿

クルマバソウ

 

アオイトトンボ

姿

姿

クルマバツクバネソウ

 

〔植物〕夏

    

    

コケイラン

 

ヒトリシズカ

 

ヤブニンジン

 

クルマユリ

エンレイソウ

黒実

 

キンミズヒキ

 

オオウバユリ

カタバミ

 

オオアマドコロ

緑実

キツリフネ

 

オオダイコンソウ

オニシモツケ

 

オククルマムグラ

 

アカソ

 

ツクバネソウ

緑実

クロイチゴ

 

花終り

ヒメヘビイチゴ

 

ミズヒキ

 

コウライテンナンショウ

 

ヒメジュオン

 

チシマアザミ

花終り

エゾアジサイ

 

ツルアジサイ

ツタウルシ

 

ハナニガナ

 

ズダヤクシュ

 

フタリシズカ

ノリウツギ

 

コウリンタンポポ

 

ミヤママタタビ

 

ヤマブドウ

 

クルマバナ

 

セイヨウタンポポ

 

ツバメオモト

 

青実

ブタナ

ミツバ

ウシハコベ

 

ウマノミツバ

 

タチツボスミレ

閉鎖花

 


満開のエゾアジサイ

 

環境広場の報告です

 去る6月16日と17日の2日間、江別市野幌公民館で「えべつ環境広場2007」が開催されました。今年のパンダクラブ北海道は、前述の『フラワーソン2007』への参加と同時並行して高橋俊男さんの『海の動物ミニチュア』を展示しました。

 2日間の合計来場者数はのべ550人程度でした。それぞれの行事ごとの参加者を集計しましたが、『海の動物ミニチュア』も50〜60人以上の来場者に見ていただくことができました。高橋俊男さんのお話では、この「えべつ環境広場2007」の1週間後には北広島市でも同様の「環境広場」が開催され、そちらにも出展するとのことでした。見学に来られた人の感想は、一様に「こんな素晴らしいミニチュアは始めてみました。」「材料は何で造るのですか。」などと興味津々。可愛いペンギン達や大きなシロナガスクジラに感動していました。

 

 その反省会で環境広場全体の印象としてスタッフからは、

        小学校のチラシ配布時期を早くしたことで、来場者が増えた。

        日曜日の来場者が少なかった・・・何かを作ったり楽しむようなイベントが必要

        酪農学園大学の学生が『はしか』の発生で減ってしまった。

        来場した子供たちの年齢が低下している。

        小中学校の発表会をこの6月に設定することは学年のスケジュールの上で難しい。

        慶祥高校の行事は内容も良く、教育上も重要。これからも定着させていきたい。

        会場、時期は来年もこのまま変更しなくてもよい。

        来年は、温暖化防止には中心テーマを絞りたいが、対象とする層はどうするか。子供〜若者向け。

        出展者にパネルのテーマや内容を揃えてほしいと言うことはできないか。・・・難しい。

        パネルの内容が難しい。

といったコメントが出ました。今年で17回目となったことについても、「道内で最古いやいや最

長の環境イベントとして定着した。」ことを誇りに思って継続していきたいと皆が一致しました。

そして江別市の『E』をエコロジーの『E』に!というスローガンも飛び出しました。

 

地球温暖化対策市民セミナー「地域で元気に温暖化防止!」に参加

7月16日に江別市民会館で開催されたセミナーに参加しました。この日も、海水温が高いために勢力が衰えないまま日本列島を台風が縦断したばかりで、異常気象が何かと話題に上る今日この頃ですが、次回の洞爺湖サミットのテーマが地球温暖化対策と言われていますし、市民の興味も少しずつ高まってきていることから、参加者69名で会場一杯になっていました。

セミナーではまず一人目の講演者として登場したのは、油藤商事という滋賀県のガソリンスタンドの専務青山裕史さん。この方は、ごく普通のガソリンスタンドを経営しながら、副業で「空き缶を持ってきたらキャッシュバック」ということを思いついたのを手始めにして、ゴミの分別回収に取り組み、現在では食用油の廃油を回収してバイオディーゼル燃料を造って売っています。

今回の演題も「ガソリンスタンドは、街のエコロジーステーション」。青山さんが始めた『廃油の回収→バイオディーゼル燃料→販売』という事業は、けっしてボランティア的な負担を感じさせないところが素晴らしい。どうも我々道民に限らず一般庶民の発想には、「ゴミの回収やリサイクルなどは、公共機関が税金を使って推進する事業であって、個人企業が参入すべきことではない」というように思っていました。理由も「とても採算が合いそうもないから」ということでしょう。

ところが近江商人の青山さんによると、ガソリンスタンドというは毎日営業しているし、油を扱っているので、従業員は廃油を処理しやすいし、お客も持ち込みやすい。そしてこれは立派な来店動機になりうるとのこと。近江商人の言い伝えである「三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)」の実践です。地元の役に立っていることは、宣伝効果として効果が高いのです。今流行のCSR(企業の社会貢献)になるのです。

この事業がうまくいく理由の基本は、誰も無理をしていない。金銭的な負担や余計な勤労奉仕を強いることにならないシステムだということです。市民は廃油を処理してもらえるし、スタンドはお客さんが増えるし、これまではガマンと面倒くささで二の足を踏んできた「資源リサイクル」も、これなら皆が喜んで参加してくれる理想的なシステムに出来上がっています。

講師二人目は江別製粉鰍フ製造部長の山本嘉彦さん。江別製粉さんと江別市がこれまで取り組んできた地元で穫れた小麦から商品化について、地産地消で温暖化防止「道産小麦を用いた商品の市場展開」というタイトルでお話をしていただきました。その中で、春まき小麦がラーメンやうどんを製品化した、江別小麦めんプロジェクトや小麦フェスタなどの取り組みが紹介されました。

地元でとれた原料を使うことは輸送距離を短くして、燃料消費量を減らすことにより地球温暖化に貢献している素晴らしい事例と言えます。

最後に地産地消の料理の提案として、「家庭で美味しく温暖化防止『地元の食材で、手軽でおいしいおやつ』」と題し、江別友の会の関真澄さんにより調理実演会がありました。この中で、江別産の牛乳で作るミルクゼリーと、道産大豆が原料のオカラと江別産小麦粉でドーナッツの作り方が紹介されました。質疑応答の時間帯にはこれらのデザート試食会となったので、参加者にことのほか大好評でした。

そして、このセミナーが終了した後、レストラン「マキシド・ルパ」で懇親会が開かれ、スタッフや有志約20名が講師の青山さんや関さんを囲んで地場産の食材を堪能できたことが、わたしにとって一番の収穫でした。

 

白神山地に行ってきました! 夏のツアー顛末記

長屋貞夫 記

今年のパンダクラブ北海道のツアーは初めて道外に出て、北東北を半周してしまいました。今回の目的は1993年に世界遺産として登録された「白神山地」のブナをこの目で確かめること。

参加者は、高橋邦秀氏と私と事務局長の英子氏、長屋純子氏という男女各二人の4名でした。

長屋家3名は飛行機を利用して2泊3日の強行スケジュール。自家用車で先発していた高橋氏に合流したのは、7月28日の土曜日の昼。青森空港は皆を歓迎するような土砂降りの大雨が降る中を西に向かって出発しました。

まず、第一目的地の西目屋村「白神山地ビジターセンター」に到着。この青森県が造ったと思われる施設の素晴らしいことと言ったら、北海道内の観光地に有るビジターセンターとは比べものにならない程です。展示室の説明や機器類も十分に工夫されているし、何と言っても超大型スクリーンに映し出される映像の迫力と内容が最高でした。シナリオがしっかりしていて説得力があり、これからのツアーの基本的な知識を得ることができました。

やはり、ここの世界最大級のブナ林16,971haが地域の生活に密接に関わりながら、マタギと呼ばれる猟師たちに信仰の対象ともなっていたため、これまで保存されてきたこと。そして、最も大事にしていこうとする中心部分の地域には絶対に手をつけずに残していくため、その周辺にバッファーゾーンとも言える緩衝地帯を設けて、ここにビジターセンターのような施設を置いています。

十分に勉強した一行は弘前に戻って、有名な弘前城を見学したあと市内に一泊。

2日目はいよいよ「白神ライン」と呼ばれる、森の中をつづら折りに走り抜ける細い林道を通りました。途中の津軽峠には「マザーツリー」と呼ばれる樹齢400年のブナがあり、名所として案内板が有りました。そこまでの遊歩道が舗装されていたのには、ちょっとガッカリしました。周辺にはエゾアジサイやヤマブキショウマが満開でヨツバヒヨドリも咲いていました。

その後、観光名所として知られる「十二湖」を歩きました。ここは、世界遺産になる前からの観光地だったらしく、30以上の湖や池(というより水たまり)を見て歩く遊歩道がしっかりしていました。トチバニンジンの赤い実やヤブハギなどの晩夏の花も咲きそろい、ブナの森と青い神秘的な池を楽しませてくれました。

 一行はその後、秋田県に入って藤里町の世界遺産センターを見学。この日はたまたま参議院選挙の投票日だったためもあったのか、中はガラガラでしたし、雰囲気だけでなく施設の内容もちょっと寂しいと感じたのは、青森県のビジターセンターを見てきたせいでしょうか。そこの係員に、どこを見たらいいか聞いたところ、「時間的には多少無理でも、『岳岱自然観察教育林』に行きなさい。」と勧められたので、元気な3人だけで出発したのは午後4時でした。

やはりクルマ一台がやっとの林道を登って到着。ここにも400年ブナがシンボルとして立っていました。こんな森の中にも、教育目的とは言え立派な無人の案内施設を造ってあることにはちょっと唖然としました。

ここのブナの木は苔むしていて、青森よりも古さを感じました。中には昔の根株の上に新しい木が生えてきたと見える根株更新も観察できました。我々以外に人気もない山奥ですし、木が生い茂っているので日のかげるのは余計に早く感じて、クマが出てくる前に早々に引き上げました。

3日目は宿泊した「ゆとりあ藤里」という温泉施設近くにある峨瓏の滝で写真撮影。きれいなニホンカワトンボも見つけました。帰り道に予定していた釣瓶落峠は随分前から通行止めで、大館経由で少し遠回りして青森空港から帰途につきました。

世界遺産を守るには、地元の信仰心のような力が必要ではないかと感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

== 編集後記 ============================================

◇ 今年はエゾシカと出会う機会が多い。春先の雪解け時期に
  牧草地に現れることはよくあるが、先日は苫前町の風車の
  麓でエゾノリュウキンカの写真を撮っていたら、一頭のメ
  ス鹿が出てきて「私のすみかから出て行け!」と言うように、
  こっちに向かって鳴きました。

◇ 夏のツアーでは、白神山地に行ってブナの木を見てきまし
  た。世界遺産を守るべき所と観光に活用する場所との区別
  が、きっちりしていました。

                         [NS]

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 えとぴりか E-Mail版 No.39(通算No.200)
  発行:パンダクラブ北海道 2007年 7月31日
 
 〒064-0823 札幌市中央区北3条西26丁目1-12-303
       事務局:長屋 英子 方
       代   表:長屋 貞夫:FAX&TEL (011)384-0801
 
 年会費:家族会員            ¥3,000
      個人会員            ¥2,500
      ジュニア会員(中学生まで)  ¥1,000
      オンライン会員         ¥1,000
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