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  〜 動物と自然が好きなあなたへのメッセージ 〜
 
       人から人へ
         親から子へ
           自然のすばらしさ
           大切さを伝えよう
 
       え  と  ぴ  り  か
 
 パンダクラブ北海道 2004年9月30日 E-Mail版 No.22
 
パンダクラブ北海道は、地球規模の自然保護活動を行ってい
るWWF(世界自然保護基金)を支援するため設立された団体です。
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目次
○10月からの予定
○月例自然観察会報告 in 野幌
○花の浮島 礼文島を満喫して
○台風今昔
○これからの環境教育

 


 

☆10月からの予定 ☆
10月11日(体育の日)パンダ募金
 [札幌円山動物園正門前集合:午前10時〜午後3時]
 
10月24日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 
 
11月21日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 
    引き続き例会 [自然ふれあい交流館:午後1時半〜午後2時半]
 
12月 4日(土)温暖化対策セミナー
 [野幌公民館:午後1時〜午後3時]:申 
 
12月19日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 

※参加申し込みは下記まで
 代表 長屋 貞夫:FAX&TEL (011)384-0801
 
[自然観察会について]
 秋の森林公園は紅葉が真っ盛りです。防寒の用意をしてご参加ください。参加無料。小雨や小雪なら決行ですが、悪天候の場合は次の日曜日に延期。
・日時:10月24日(日)11月21日(日)  午前9時半より午後1時まで
・集合場所:野幌森林公園トド山口駐車場9:30集合
                JRバス新札幌駅南レーン乗り場(2)19系統9時10分発の立命館慶祥高校行きで終点
・持ち物:弁当、コンパス、メモ帳、長靴、雨具、歩きやすい服装、双眼鏡やカメラ(あれば)
 
[温暖化対策セミナー『流氷と温暖化について』(仮題)のご案内]
 えべつ地球温暖化対策地域協議会が主催する講演会が下記の予定で開催されます。流氷と地球環境の関わりについて楽しいお話しです。多数の皆さんの参加をお願いします。
・ 場 所:江別市野幌公民館 江別市野幌町13−6(JR野幌駅から徒歩5分)
・ 日 時:12月4日(土)午後1時〜午後3時
・ 講 師:道立オホーツク流氷科学センター 青田昌秋館長
 
[パンダ募金のお知らせ]
 恒例秋のパンダ募金を次の予定で行います。皆さん、多数ご参加下さい。人数さえ集まればまた正門と西門の2班に別れて募金を呼びかけます。小雨決行、順延無しです。
・ 場 所:札幌市円山動物園 正門前
・ 日 時:10月11日(体育の日)午前10時〜午後3時
・ 目 的:募金は世界の自然保護活動に役立てるためWWFJに送金します。

 


 

月例自然観察会報告in 野幌

8月22日(日)天気:晴れ
 前日の大雨を吸い込んだ森の草木は、夏の日射しにつやつやと輝いていました。
 気温は高いものの8月始め頃の蒸し暑さは無く、歩きやすい一日で花々を楽しめました。特にトリカブトやキツリフネが満開のほか、そろそろ草の実が赤く色づいてきています。オオハンゴンソウやススキの穂に秋を感じる一日でした。
 そしてもう一つ、足下から飛びだしたエゾライチョウらしい鳥。数年前の冬に見つけた場所の近くでした。 

9月19日(日)天気:曇り時々雨
 台風18号の被害のためしばらくの間、立入禁止となっていた野幌の森も、この19日になってようやく遊歩道が開放となった。(「台風今昔」の写真参照)
 でも森の奥を眺めてみると、直径1mもありそうな大木がゴロゴロと根こそぎ倒れていました。森の中心部ほど被害が大きかったことが判りました。
 森の動植物たちは、そんな嵐のあとでも何とか生き延びて、健気な姿を見せてくれました。

種   名 8月22日 9月19日 種   名 8月22日 9月19日
〔野鳥・動物〕     〔植物〕 夏    
ヤマゲラ   オオカメノキ 赤実  
ミヤマカケス   トリカブト
カワラヒワ   キンミズヒキ  
ハシブトガラ   ミズヒキ
キジバト ズダヤクシュ  
ルリビタキ   キツリフネ
エゾライチョウ   ツリフネソウ  
シマヘビ   トチバニンジン 赤実 赤実
ウラギンヒョウモン   ウツボグサ 花終わり  
 
トモエソウ
ツルニンジン
ルイヨウショウマ  
ノッポロガンクビソウ  
トモエソウ 花終わり
マイヅルソウ 赤実 赤実
コウライテンナンショウ 緑実 赤実
ツルアジサイ  
エゾアジサイ 花終わり  
エゾノコンギク  
アキノウナギツカミ  
サラシナショウマ  

花の浮島 礼文島を満喫して

長屋貞夫

 8月7日は、朝からその前日までと同じくらい暑い一日でした。8時57分岩見沢発のスーパー宗谷1号に間に合うため、駐車場から駅に向かう間にも私は汗びっしょりになりました。でも近代的な列車内は、一転して冷房が効きすぎくらいで快適な4時間半を過ごせました。
到着した稚内はどんよりとした曇り空に、海辺特有の湿気を含んだ風が吹いていましたが、気温は朝よりも5度くらい低くて安心しました。
 皆は遅めの昼食後、フェリー乗り場へ。向かう先は宿泊地の礼文島香深港です。
 私たちはフェリーの約2時間をほとんどデッキで過ごしましたが、その間も天候はだんだんと霧が深くなり、霧雨も降り始めたのです。
 香深の港に着くと、民宿「海憧」のマスターが車で迎えに来ていました。その民宿は島の北端にある船泊という町にありますので約30分は車に揺られて行きました。途中でマスターは「今朝はこの辺りでアザラシが泳いでいた。」と車を止めました。
 海を眺めると、ドンヨリとした暗い色の海が広がっているだけに見えました。でも遠い岩の上には1頭のゴマフアザラシが寝そべって甲羅干し。周りの海にもアザラシが数頭泳いでいました。
 翌8日の朝も霧が晴れず、期待薄で宿を出た私たちは、江戸屋林道と言うコースを歩くことにしました。林道の坂を登りはじめるとすぐに道ばたの斜面を花々が覆っていることに気が付きました。
 まず、薄いピンク色のノコギリソウと濃いピンクのタカネナデシコが一面に見られ、所々にツリガネニンジンの紫の花が咲き乱れていました。さらにクサフジやイブキジャコウソウの可憐な花まで有りました。実は礼文島名物のレブンアツモリソウの時期は6月下旬で終っていましたので、それほど花が見られると思っていませんでしたから大感激。
 なだらかな丘陵につながる細い道をとぼとぼと花たちを愛でながらスコトン岬まで、その礼文島独特の風景を楽しみました。岬からの帰りがてら海岸沿いの歩道から海を眺めて歩いていると北の海鳥ケイマフリが番いで泳いでいました。
 礼文島を満喫したこの日の午後は利尻島を観光バスで一周。雲が邪魔をしていて、利尻山の姿は残念ながらついに見ることができずガッカリしました。
 翌日の朝になると霧も晴れたので、稚内のノシャップ岬から遠く利尻島がうっすらと見ることができたことで、私たちの夏のツアーは満足することにしました。


台風今昔

 9月8日、道都札幌を50mの突風が吹き荒れた。台風18号の暴風である。
 1週間前、16号台風も大暴れとの予報が出たが、その時は風雨が少し強いだけで通過してくれた。18号も大したことはないかも…と、たかをくくっていた。朝から風雨はいつもの台風より強かったが、10時前頃からだんだんひどくなり、道路を木の葉やゴミが飛び回っている。その頃、気象庁から42mの突風との発表があった。
 はじめは南東の風だったが、急に風向きが変わった。我が家のマンションのベランダには植木鉢もプランターも置いていないので、被害は無いと思っていた。
 突然その時、発砲スチロールの大きな箱が目の前に飛んできた。これは何かに使うかもと重しをしてあった空箱だが、今まで動いたことは無かった。急いで家の中に入れたがビックリした。その後も、ゴーゴーと風雨は続いた。
 直後のニュースで、札幌で初めての50.2mの突風だったと報じられた。この風は、50年前大きな被害を出した洞爺丸台風と同じくらいとのことであった。
 私は、その時50年前の出来事をいろいろ思い出した。
 昭和29年9月26日、私達一家は十勝の広尾町に住んでいた。夜半から猛烈な風雨で古い家は揺れていた。12月出産予定の私は、横になっても恐怖で眠れずにいた。そのうち、近所の家の屋根がスッポリ飛ばされたと皆が叫んでいるのが聞こえた。その頃は柾屋根が多かった。我が家も危ない。夫は必死に私の上に覆い被さって守ってくれた。12月無事長男が生まれた。
 その時の暴風と今年の台風18号は同じ50m以上の風でも、高層ビルが建ったことなど発生の原因は違うとも聞いている。札幌の街は街路樹の被害が一番大きかったと思う。道内各地の農業被害、家屋被害は何億円になるのだろうか。洞爺丸台風の時もそうだったが森の倒木被害も計り知れない。
 ただ50年前と同じように、倒木を母として新しい木々が生まれ、森に成長することに期待したい。


☆ これからの環境教育

長屋貞夫

 去る9月26日、私は滝野すずらん丘陵公園で「プロジェクト・ワイルド指導者ワークショップ」という環境教育指導者の講習会に参加しました。
 この日は朝から大変良い天気で、野外活動にはもってこいの季節でしたから、どのような講習会か期待して会場へ。研修室には参加者20名が集まりました。
 最初に説明があり、このプロジェクト・ワイルドとはアメリカで1983年に始まった環境教育のプログラムとのこと。アメリカでは、その頃には「環境教育」が幼稚園児から高校生までの教育課程でキッチリとカリキュラムされていて、その教師の副教材として「プロジェクト・ワイルド」が創られ、開始以後10年間で60万人の指導者養成に活用されているのです。
 講師の山本幹彦さんは、当別エコロジカルコミュニティーというNPO法人の代表で、プロジェクト・ワイルド上級指導者(ファシリテーター)です。「森を使った森の教育は多かったが、森を使った環境教育をしていきたい。」とのこと。
 その後で参加者は気持ちを解きほぐすため、2人一組になって「観察」についてのゲームをしました。一度お互いの自己紹介をしたあと、相手が後ろを向いている間に服装の一部を変化させて、相手は何処が違っているかを言い当てるゲームです。次に皆の前で、各自が自己紹介と今回参加した目的を発表しました。わたしは、今回の講習会で自然観察会における環境教育の手法を勉強したいと思って参加したのです。他の参加者には、公園管理の関係者、大学生、動物園ガイドボランティア、小学校の先生などです。
 ここで、皆屋外へ出て『オー・ディア』というアクティビティ(ゲーム等を通した環境学習活動)を体験しました。
 これは野生生物の生息地についての学習で、参加者から鹿役5人を選んだ後、残りの人は最初生息地の要素役です。生息地の要素「水」「すみか」「餌」のボディサインを決めておき、20mぐらい離した2本のロープの反対側に鹿役5人と要素役15人が並び、全員が合図と同時に生息地要素のサインを出します。鹿役の人は自分が出した要素と同じサインの対岸の人にタッチできたら生き残れます。タッチされた要素役の人は鹿役に成れます。タッチできなかった鹿は要素役に成ります。
 これをくり返すうちに、生息地で鹿の頭数は増えすぎると要素が足りなくて減っていくし、鹿が減りすぎると要素が得やすくなるので増えるという増えたり減ったりします。グラフ用紙にこれを記録していき、ゲーム終了後に参加者でどんなことが判るか話し合います。これを「ふりかえり」と呼び、環境教育の上で意見交換による合意形成を重視していることが理解できました。
 このアクティビティは野生生物の頭数管理をゲームにしたものと言えますが、単に理科の勉強だけでなく体育と数学にも使えます。
 午後からの『みんなのトンボ池』というアクティビティは、川と池と湿原が描かれた地図に住宅地や工場、高速道路、公園などのイラストを張り付けるという都市計画シミュレーションです。5人一組のグループで計画を発表しあう中で、身近な都市環境保全への入口になります。理科と社会の勉強を兼ねた現在小学校で行われている総合学習に使える内容です。
 最後に指導体験(ティーチバック)を勉強しました。グループごとに活動計画を立て、他グループの人たちを一般参加者と見立ててアクティビティの指導を実施します。
 それぞれのグループは、まず自分達が指導したいアクティビティを選び、グループ内で試してみてから実践しました。具体的には、森の中でかくれんぼをする『ジャングルゲーム』、食物連鎖と農薬の生物濃縮について鬼ごっこで体験する『死のつながり』、ねぐらと餌場の間で繰り広げられる氷鬼ゲーム『瞬間冷凍動物』、ジェスチャーで動物名を当てて野生と家畜を考える『動物物まね』を行いました。
 いざ説明と指導をしてみると、説明がしどろもどろになったり、予想外の結果になったり、最後のまとめふりかえりが時間切れで尻切れトンボになるなど苦労しました。
 でも、このティーチバックをすることで実際の指導状況が予想できて、参加者としても自信がつくことでしょう。それと、ふりかえりにおける一般参加者からの発言や意見が自分たちの予想外の展開を示すこともあり、これは次回の指導時における改良点になり、自分自身の環境に対する勉強にもなりました。
 講師の山本さんは「体験したものは理解する。自ら発見したものは身に付く。」というモットーのもと、キッチリとした答えが見えない時代の中で、これからの環境教育はコミュニケーションの大切さと合意形成を柱に考えていくべきだと訴えておられました。
 今後パンダクラブでやってみたい環境教育についても、沢山のヒントが得られました。

 

== 編集後記 ============================================

◇先日、稚内のレストランにてチャバネゴキブリを発見。北海道の
 最北端でも室内は暖かく快適なのでしょう。

◇私は「100円ショップ」(消費税込みなら105円ショップ)が大嫌いだ。
 毎週1度は覗いてみるが、200円のシャープの芯が何故105円なの
 か理解できない。大量消費と使い捨て社会の極みだと思いながら
 も買ってしまう。

                                 [N.S.]

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 えとぴりか E-Mail版 No.22(通算No.183)
  発行:パンダクラブ北海道 2004年9月30日
 
 〒064-0823 札幌市中央区北3条西26丁目1-12-303
       事務局:長屋 隆夫 方
       代   表:長屋 貞夫:FAX&TEL (011)384-0801
 
 年会費:家族会員            ¥3,000
      個人会員            ¥2,500
      ジュニア会員(中学生まで)  ¥1,000
      オンライン会員         ¥1,000
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