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  〜 動物と自然が好きなあなたへのメッセージ 〜
 
       人から人へ
         親から子へ
           自然のすばらしさ
           大切さを伝えよう
 
       え  と  ぴ  り  か
 
 パンダクラブ北海道 2003年9月30日 E-Mail版 No.16
 
パンダクラブ北海道は、地球規模の自然保護活動を行ってい
るWWF(世界自然保護基金)を支援するため設立された団体です。
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目次
○10月からの予定
○月例自然観察会報告 in 野幌
○写真集『山と花の日記から』について
○夏の道北に遊びの王国があった
○学術講演会のお知らせ
◇新着書紹介『エゾライチョウ』
○野生生物と出会った?旅

 


 

☆10月からの予定 ☆
 10月13日(体育の日)パンダ募金 
 [10時〜15時:札幌円山動物園正門]
 
10月19日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 
 
11月16日(日)自然観察会
 [野幌森林公園トド山口駐車場:午前9時半集合]:申 
 
※参加申し込みは下記まで
 代表 長屋 貞夫:FAX&TEL (011)384-0801
 
[自然観察会について]
 野幌森林公園はもう秋の気配です。防寒の準備をして紅葉を楽しみましょう。参加無料。小雨決行ですが、悪天候の場合は次の日曜日に延期。
・日時:10月19日(日)11月16日(日)  午前9時半より午後1時まで
・集合場所:野幌森林公園トド山口駐車場9:30集合
・持ち物:弁当、コンパス、メモ帳、長靴、双眼鏡やカメラ、防寒具
 
[パンダ募金のお知らせ]
 恒例のパンダ募金を次の予定で行います。皆さん,多数ご参加下さい。人数さえ集まれば正門と西門の2班で募金を呼びかけます。小雨決行です。
・ 場 所:札幌市円山動物園 正門前
・ 日 時:10月13日(体育の日)午前10時〜午後3時
・ 目 的:募金は世界の自然保護活動に役立てるためWWFJに送金します。

 


 

月例自然観察会報告in 野幌

・8月17日(日)天気:晴れ

 今年の異常気象が影響して8月だというのに半袖では涼しいくらいで、埼玉からの谷津さんを始め参加者6人には、やぶ蚊も少なく快適な観察会でした。

 アライグマの捕獲調査をしている人たちに出会い、捕まえたアライグマを見せてもらいました。檻の中から「捨てた人間が悪い」と訴えるような目でこちらを見ていました。途中で吉田結希ちゃんがアライグマの5本指の足跡を発見。森の中には実際にたくさん生息していることが判りました。

 解散する時に3匹の首輪の無い野良犬がすり寄ってきたのには、飼い主の無責任さにあきれました。

・9月21日(日)天気:

 9月の観察会は14日の予定でしたが、台風が近づいてきたため一週間延期して21日にしました。この日も天気は良かったのですが、気温は低く肌寒いくらいでした。もう長袖が必要な季節です。

 植物は秋の顔ぶれに代わり、キク科やタデ科が目立ちます。そしてオオカメノキをはじめとした木の実が色づいて、もうすぐ紅葉の季節です。10月の観察会をお楽しみに。

種   名 8月17日 9月21日 種   名 8月17日 9月21日
〔野鳥・動物〕     〔植物〕 夏〜秋    
アオジ   ゲンノショウコ
アカゲラ   コウゾリナ  
アライグマ 足跡   コウライテンナンショウ   赤実
エゾリス   サラシナショウマ
キバシリ   ズダヤクシュ  
コゲラ   ツルシキミ   赤実
ゴジュウカラ   トチバニンジン 緑実 赤実
ハシブトガラ トモエソウ
ヒヨドリ   ノブキ
〔植物〕 夏〜秋     バアソブ  
アカソ   ハエドクソウ
アケボノシュスラン   ハナタデ  
イヌタデ   フユノハナワラビ  
ウマノミツバ 花終   フッキソウ   白実
エゾアジサイ 花終   ホウチャクソウ 緑実 黒実
エゾトリカブト 花終 ホオノキ  
エゾノコンギク   マイヅルソウ 赤実
オオアマドコロ 緑実   ママコノシリヌグイ  
オオアワダチソウ   ミズナラ   実(ドングリ)
オオウバユリ 緑実 緑実 ミズヒキ
オオカメノキ 緑実 赤実 ミミコウモリ
オオダイコンソウ ミヤマトウバナ  
オオバセンキュウ   ヤブジラミ  
オニシモツケ   ユウゼンギク  
キツリフネ ユキザサ 緑実  
キンミズヒキ ルイヨウショウマ   黒実
ケチヂミザサ ルイヨウボタン 黒実

写真集『山と花の日記から』について

 先日、パンダクラブ北海道の会員で外科医院を開業しておられる鴫野貞隆さんから、ご自分で撮られた高山植物の写真と登山日記からなる写真集が届きました。大きさはA4版で前編カラー印刷134ページからなる大作です。

以前から山の花が大好きで、写真をたくさん撮っては写真展を2回ほど札幌市内で開催されたとのこと。今回はその集大成とでも言える物でしょう。花の写真はプロ級の腕前でダイセツトリカブトから約62種類、そして大雪山系から日高山脈、札幌近郊の身近な山々、さらにはヨーロッパやカナダまで旅行記も多彩です。

御覧になりたい方は事務局へご連絡下さい。回覧致します。

 

☆ 夏の道北に遊びの王国があった

 8月10日から11日にかけて、私達はファミリーキャンプというよりも道北の山の中を旅してきました。この日はあの台風10号が通り過ぎたばかりで、まだ天気もぐずつき気味。10日は雨が降ったりやんだりでしたが、11日には何とか晴れ間ものぞいて来たので助かりました。

 10日、私達は美深町から東へ21kmの仁宇布に行きました。そこには「トロッコ王国」という施設があります。その昔美深町からここまで美幸線という鉄道が走っていたのです。日本一の赤字ローカル線として有名だったこの線路は、当初美深から北見枝幸までを繋ごうとしたので美幸線という名になったのですが、仁宇布までしか出来ずに昭和60年で廃止となりました。

 平成10年に地元の人たちが、線路の有効利用策として始めたのが「トロッコ王国」です。片道約5.5kmの線路をエンジン付きのトロッコでトコトコ走る40分程度の道のりです。

 私達が現地に到着した3時頃は、霧雨がまだ降りしきっていたため、一度はあきらめて帰ろうかとしましたが、親切にもビニール合羽を貸し出しているし、行列も出来ていないのですぐに乗り込むことにしました。

 エンジンのかけ方や転回の仕方、ブレーキの利きが悪いことを指導してもらって、さあ出発です。上下とも合羽の私達4人は一台のトロッコに乗り、全部で5台の旅は始まりました。夏のこの時期は周囲の森林や牧草地の濃い緑を背景に、エゾニュウの白い花やヤナギランの赤い花が見事なコントラストを見せ、天使のキャンバスは鮮やかな原色の絵の具で彩られていました。

 折り返し地点には「高広の滝」が綺麗に見えます。そこで180度進行方向を転回させて、またエンジン始動。復路になると雨もあがって上機嫌のトロッコ体験ができました。

 子どもたちは駅にあるバイオトイレにも感激。ボタンを押すとおが屑がぐるぐる回転して堆肥を造る仕掛けです。強烈な芳香剤の匂いにも驚いていました。

 美深温泉に泊まって、翌11日は水槽の大きなチョウザメも見学したあと、朝日町に向かいました。一面の水田地帯の真ん中を進むうちに前方には巨大なダムが見えてきました。ここが天塩川の上流にある岩尾内ダムです。湖の東側奥に大きなキャンプ場がありました。

エゾゼミも鳴き出した夏休みを、こんな山奥の静かな湖畔で過ごすのもいいなあと思いました。

 その後、車は富良野方面をめざして進みましたが、途中で当麻町の鍾乳洞を見学。初めて鍾乳洞に入る子どもたちは最初不安な顔をしていましたが、狭い通路をくぐって進むうちに次第に楽しくなってきた様子。出口にある売店で鍾乳石のカケラを買って帰りました。

 道北の旅は初めての経験ばかりでしたが、遊びの王国があちこちに有り、途中で車のホイールカバーを落としてきたことに気づかないくらい魅力的な旅になりました。

長屋貞夫

学術講演会のお知らせ

植物多様性保全の理念と北海道における植物保護の現況と課題

・日時 平成15年10月24日(金)9:00〜17:00 【当日参加可能】

・会場 北海道大学学術交流会館 札幌市北区北6条西5丁目 北大構内

【シンポジウムプログラム】

9:00 科学教育の立場から環境教育と自然保護 日本科学教育学会会長 木村捨雄
9:20 特別講演 植物多様性保全の理念 京都大学名誉教授 河野昭一
10:25 北海道の希少保護種 國學院大學栃木短大教授 谷口弘一
10:55 カラフトアツモリソウの保護 国際基督教大学名誉教授 勝見允行
11:25 エンレイソウを中心とした北海道の植物変遷 自然環境研究室主宰 鮫島淳一郎
11:55 北海道内植生変化と保護−北海道内の現況と課題− 北海学園大学教授 佐藤謙
13:20 植物保護のための地域活動 エコネットワーク代表 小川巌
13:40 十五島自然観察園の活動 北海道の花を考える会 太田和男
14:00 道南・奥尻地域の現況 上ノ国自然を考える会 笹浪甲衛
14:20 アポイ・日高地方の現況 様似町学芸員補 田中正人
えりも町花ファンクラブ 駒井千恵子
14:50 北海道における稀少野生植物の保護等について 北海道環境生活部自然保護課
15:20 総合討論:北海道の植物保護はどうあるべきか 司会:勝見允行
申込・問合せ先 谷口弘一 Tel,Fax 011-591-5571、大和宅Tel,Fax 011-663-3591

  • 主催:日本科学教育学会/北海道希少種調査報告実行委員会・共催:北海道新聞社

  • 後援:環境省西北海道地区自然保護事務所/北海道森林管理局/北海道

◆□ 新着書紹介『エゾライチョウ』 □◆

 帯広畜産大学名誉教授で日本野鳥の会理事の藤巻裕蔵先生が、長年の研究成果を一冊にまとめた非売品です。ご興味の有る会員には回覧貸し出します。

 エゾライチョウはニワトリと同じキジ目の鳥で、日本アルプスに住む天然記念物のライチョウの仲間ですが、日本では北海道だけに生息する狩猟鳥です。

 私達も野幌森林公園などで自然観察を続けてきましたが、エゾライチョウを見つける機会がほとんどありません。ただ、昨年2002年の3月に森林公園の中央部で発見し、何十年ぶりだろうと興奮しました。以前この森林公園にも沢山いたと考えられますが、随分減ってしまったと感じています。

 本書では、エゾライチョウの仲間の分布がロシアから来たヨーロッパに広がっていること、一年中を森林の中で生活し、草木の芽や葉を主な食べ物としていること、さらには産卵から成長までを詳しく解説しています。特に生息数については、急速に減ってきているため狩猟対象種の見直しが検討されたのですが、データ不足とかでいまだに狩猟鳥となっています。

 急減した理由について、藤巻先生は1980年代から増えてきたキタキツネとの関係だろうとしています。また、近年はアライグマにも注意が必要としています。特に野幌森林公園の場合は木登りの上手なアライグマが主犯で減ってしまった可能性が高いでしょう。

 周りの森林と隔離されているため、生息数にも限度があり、データを集めているうちに絶滅するのではないかと私も心配です。

長屋貞夫

☆ 野生生物と出会った?旅

 七月末「秘境知床半島横断と道東さいはて旅情」という長い名前のツアーに参加した。JRの特急と貸切バスで、宿に到着するのは夕方7時近くという旅程だった。

 途中、網走からのバスで「小清水原生花園」と「オシンコシンの滝」を見学、「知床五湖」をめざして走った。峠を登り始めると「ヒグマ生息区域」の立て看板があちらこちらに立っている。バスガイドが「動物を見つけたら『右○○』『左○○』と声をかけてください。」と言う間もなく、エゾシカが両側の窓から見えた。皆は一様に喜びの声をあげた。

少し行くと、「クマ右」とガイドの叫び声。頭がうす茶色の大きそうな(半分は草の中)ヒグマが、じっとバスを見ている。ツアー客は興奮の声を出している。少し車が進むと今度は小さな子グマと一緒の親子グマ。こちらは真っ黒い毛をしている。車は一時停車した。

 やがて「一湖」に到着したが、残念ながら縄が張られていて通行禁止中。きまりの6時迄はゆっくり見物できる予定だったが、明日に期待を残してウトロの宿へ来た道を戻った。

 「知床五湖」のうち、今はせいぜい「二湖」迄で、その奥はほとんど通行禁止との事である。「一湖」へ向かうとき、動物写真家がたくさんエゾシカがいる草地にカメラを据え付けて腹這いになって撮影していたが、帰りに見るとカメラを残して車の中にいた。

 きっと私達が見たヒグマが近づいて来たためだろうと思う。クワバラ、クワバラ・・。

 翌朝、霧の中を「一湖」に再び向かう。水辺へ歩いて行ったが、周囲の景色は見渡せず残念だった。戻って知床横断道路を通って羅臼へ向かう。もうエゾシカが出ても皆無関心!。新聞記事によると、知床半島には400頭のヒグマがいると推測されているらしい。どこに出て来ても当然と言える。

峠を越えると霧がぱっと晴れて、素晴らしい眺望の中をバスは進む。羅臼岳は頂上に雲をかぶっているが、ガイドが「北方四島の国後島がくっきりと細長く水平線に見えます。」と言いながら、「今回のツアーの方々は、どういう人達でしょうか。これが普通だとは思わないでくださいね。この時期に国後が見える。またヒグマに会えるという事は、そんなにある事ではないのですから・・。」と上げたり下げたりの説明に力が入る。

 次の日は釧路湿原に向かう。今度はタンチョウが民家のそばに2羽、3羽とたたずんでいる。その時もまた、ガイドの感激の声を聞く。昨日は誰かがキタキツネを見たと叫んでいたが、車中からリスや野鳥はあまり見ることができない。

私は小学生の時、知床半島の羅臼側の付け根にある標津町に住んでいた。60年の歳月を経て、やっと知床半島の真髄にふれる事ができた旅となった。

長屋英子

 

== 編集後記 ============================================

◇ 8月に60万年ぶりの大接近と大騒ぎをしていましたが、皆さんは
    火星を見ましたか。手持ちのフィールドスコープで覗いてみました
    が「何だ。この程度か」で終わりました。N.S.

◇ 久々に然別湖を訪れました。あいにく雨でしたが、幻想的ではあ
    りました。徐々に観光地化している雰囲気に違和感をを覚えつつ、
    その場を後にしました。道中、道路脇の土砂、流木を目にし、台
    風の被害の大きさに胸が痛みました。M.E.

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 えとぴりか E-Mail版 No.16(通算No.177)
  発行:パンダクラブ北海道 2003年9月30日
 
 〒064-0823 札幌市中央区北3条西26丁目1-12-303
       事務局:長屋 隆夫 方
       代   表:長屋 貞夫:FAX&TEL (011)384-0801
 
 年会費:家族会員            ¥3,000
      個人会員            ¥2,500
      ジュニア会員(中学生まで)  ¥1,000
      オンライン会員         ¥1,000
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